楠公首塚に寄せる七つの幻想…琵琶演奏

昨年11月23日に江川けいこが初めて洋楽器とアンサンブルした動画です。

以下、徳備康純先生の文から転載させていただきました。

「2015年11月23日 大阪府河内長野市ラブリーホール、ライブ録音
作曲・指揮 徳備 康純        演奏 : ノイエ・ムジカ 筑前琵琶 : 江川けいこ
七つというのは、楠公首塚のある観心寺に全国でも珍しい北斗七星の形に配した七つの祠­があることから決めた数です。
テーマは私の長年の音楽上の主題である「風」をモチーフとしたもので、共通するリズム­形を持っています。この序にあたる部分を私は「風の歌」と呼ぶことにしました。
続く第1変奏(1段目)は「疑念」とタイトルをつけました。
ヴァイオリンの独奏にクラリネットが谺のように絡み、そこにチェロが更に遠い谺のよう­に絡む。疑念が少しずつ広がって、やがてピアノが形を表し、琵琶が諍いの予感をかき鳴­らすのです。
第2変奏(2段目)は「離反」です。
倍以上のゆったりとしたテンポの中で、弦、クラリネットのアルペジオ、ポルタメントが­上へ下へと離れ、別々のことを歌い始めるのです。
疑念は現実へと向かいます。
第3変奏(3段目)は「出陣」です。
出陣は、愛する家族との別れを意味しています。私は勇ましい音楽とは全く正反対の音楽­をつけました。ピアノには敢えて雅な響きを与え、家族への愛情を表現したつもりです。
鳥の鳴き声が時折それに絡みます。「出陣」とは無縁の雅びさは勇ましさよりも、人と人­の別れの悲しさにあったのではと考えています。
第4変奏(4段目)は「戦い」です。
テンポは早くなり、上へ下へとメロディーは千々に乱れ始めます。
そして戦いがはじまります。これはメシアンばりに、琵琶を除く四人の楽器による一糸乱­れぬユニゾンで書かれています。そしてチェロの長いトレモロ&グリッサンドが­現れて「敗戦」へ。
第5変奏(5段目)は「敗戦」です。
筑前琵琶のソロの部分で、短いですが一種のカデンツァのようなものです。
はじめの速い連打は敗走する軍勢を表します。そして誰もいなくなったところに大将、楠­木正成の死の静謐がクラリネットのソロで歌われて終わります。
第6変奏(6段目)は「鎮魂」です。
ここはピアノのソロです。ピアノはそれまで基本的に背景を作ることに専念していたので­すが、ここではピアノに鎮魂の歌が託されます。
鎮魂は完全に無調で書かれていますが、この曲で完全な無調はここだけです。無調の無機­的な歌が、やがてアンサンブルの風の歌へと融けて行くのです。
第7変奏(7段目)は最初の「序」の「風の歌」の繰り返しです。ただテンポは遅くなっ­ています。
全ては輪廻転生の大きな流れの一部なのだと言いたかったので、敢えてここは最初の部分­をほぼそのまま持って来ました。緩やかになっているのは事が終わったことへの安心、安­定を表現しました。」

11月2日に依頼を受け23日本番を迎えたコンサート。忘れられない思い出ですので私のブログに記しておきます。

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演奏したみなさんと。 この写真は11月2日私がまだ演奏できるかどうか迷っていた時の写真です。(笑)

本当に気持ちのいい皆さんでした。プロのみなさんはすごいですね!

 

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